御衣黄と呼ばれる桜がある。
読みは「ぎょいこう」、最近では名を知られるようになったものの、何処に咲くのか、また存在を知らない人も多くない。
桜といえば極淡の紅色をした、いわゆる「桜色」の花弁を連想するが、これは黄桜、鬱金桜などの黄色い桜の一種で、花弁に葉緑素を持ち、咲き始めに葉のような花をつける八重咲きの桜だ。見頃を過ぎると花弁の中心が紅を差し、緑と紅のコントラストを楽しめる。
私は都合がつく限り毎年、新宿御苑の御衣黄を撮影しに行く。
新宿御苑の御衣黄は敷地内に一本のみで、通常の桜より開花時期が遅いため、うっかり早く行きすぎて蕾を拝むことも多いのだが、蕾と咲き始めの御衣黄を撮影するのも楽しい。
ここ数年は春の嵐に当たってしまったり、都合がつかなかったりと、満足な撮影が叶わなかった。
今年こそは良い写真を撮りたい。