7routeplanet

写真と七辻脳内白描図

『春の歌』を唄うのが好きだった

 スピッツ『春の歌』でカラオケの高得点を出したくてたまらなくて、喉を懸命に響かせた高校時代。

 

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 この喉を震わせるのは、僕だけだ。

 僕は、歌い手になりたかった。

 心傷さえなかったら、もう少し音楽をやれていたのかな。

 この声以外、何も持っていないけれど。

 

 今でも思いつきで歌詞を書く。

 書いてはどこにも発信することなく、下書きに残してそのままにしている。

 

 世界に言いたいことなんてないんだ。

 僕の恣意をどこかへ響かせる必要なんてないから。

 ただ、大事にしているものをわざわざ発信する必要なんてなくて、大切なものを大切にしているだけで。

 

 春が今、若葉の指先を伸ばしている。

 その指と、ただただ手を繋いでいたい。