7routeplanet

写真と七辻脳内白描図

木星とおとめ座の簡単な話

 五月も半ばの今の時期、夜も更け始めの頃に空を見上げれば、南東にひときわ輝く星が見える。光が強く瞬かないことから、それが惑星だということは容易に思いつくことだ。だが、それがどの惑星であるかまでは、残念なことに私も調べないとわからない。
 なので調べてみると、あの光り輝く星は木星で、現在てんびん座に位置している。
 木星といえば誰もが知る、太陽系で最も巨大な惑星だ。あの巨体は、地球を含む他の惑星全てをすっかり内包してしまうほどに大きい。木星の台風である大赤斑の存在は当然のこと、シューメーカーレヴィ第九彗星の衝突や、ガリレオ衛星として名高い四つの衛星イオ、ガニメデ、エウロパカリストはよく知られていると思う。
 そんな木星の衛星は現在69個存在している。2000年以降の観測や調査、捜索の結果、現在の数に到達し、今も未確認の衛星がある可能性があると述べられている。20年前の天文年鑑ではわずか16個の記載しかなかったのだから、観測技術の向上は目覚しい。

 木星から右側を見るともう一つ、輝く星が見えるが、これはちらちらと瞬くので恒星だ。てんびん座の隣で輝く星といえば、おとめ座のスピカだろうと思いつく。
 スピカはラテン語穀物の穂を指す。おとめ座のシルエットは右手に麦の穂を持っている。
 手持ちにある原恵著「星座の神話」で調べたところ、spicaはspicと書けばトゲトゲしたものという意味を持ち、麦の穂のとげとげしたさまや靴のスパイク、また鉄道の枕木をとめる犬釘も同じ語源だという。
 スピカを擁するおとめ座は、12星座中最も大きい星座だ(全天ではうみへび座に次いで二番目)
 あまりに大きいのでどこからどこまでがおとめ座なのか、実は私も把握しきれていない。が、東西にやや寝そべった姿をしていると思えば多少わかりやすいと思う。

 先日仕事の帰りに、私の歩く先で空を見上げて星に指をさしながら歩く人を見かけたので、ふと思いついたことを書き述べてみた。
 天体についてはまた別の機会に何か書いてみたい。